相続コラム

「2014年11月」のコラム

続いてサブリース方式について説明します。

大雑把な流れを説明しますと

1.オーナー個人と法人との間で賃貸借契約を交わす
   ↓
2.オーナー所有の物件(全部or一部)を、法人が一括して借り上げる
   ↓
3.法人と入居者との間で賃貸借契約を交わす
   ↓
4.入居者が法人に家賃を支払う
   ↓
5.法人がオーナーに家賃を支払う

というような感じです。

つまりオーナーと入居者との間に法人が割り込む形になりますので、その法人は家賃の一部を利ザヤ収入として得ることができます。
どの程度の利ザヤが妥当かというと、世間の一般的な相場はおおむね10〜15%程度のようです。

管理会社方式と比べると、まず利ザヤ収入のパーセンテージが高い、というメリットがあります。
そして管理会社は管理業務の実態が問われますが、サブリースはそもそもサブリースすること自体が事業目的ですので、契約書面とお金の流れさえしっかり整えておけば、実態面での問題はありません。

逆にデメリットを申し上げますと、空室リスクを背負ってしまうことです。
満室状態であれば何の問題もないのですが、空室が増えてしまうと、サブリース会社がオーナーに対して空室分の賃料を負担しなければなりませんので、資金ショートしてしまう可能性があります。

大手賃貸ハウスメーカーの多くがこの方式で商品を販売しておりますが、何故それが成り立つかといえば、各メーカーが空室リスクを許容できるだけの企業体力を有していること、そして空室を埋めるだけの営業力を保有していること、これに尽きると思います。

このリスクを踏まえた上で、あまり安易にサブリース方式を選択するのではなく、よく検討した方がよろしいと思います。

まず管理会社方式について説明します。

ご相談にいらっしゃる大抵の方(ほぼ99%以上)は、まずこの方式を想定してらっしゃいます。

つまり個人所有の賃貸アパート等を管理する名目で、その手数料を受け取る方式です。

一時期、この管理会社方式が大流行りし、多くの地主さん達が管理会社を設立しまくった時期があります。
が、そのブームはすぐに下火になりました。
税務署の調査が入り、その多くが否認されてしまったからです。

否認された理由の大部分は、

実際に管理業務をしている実態がみられない

これに尽きます。

アパートの管理といっても、そう簡単なことではありません。
入居者探し、
入居者の審査・契約・敷金預り、
老朽化した設備のメンテナンス、
清掃、
退去時の雑処理、etc...

これらの実務を素人が行うのは並大抵ではありません。
プロの業者に全てお任せしているのが実態だろうと思います。

じゃあ、あなたが設立した管理会社は、一体何をやっているんですか?

と税務署に突っ込まれてしまうと、

「いや、実は何もしてません」

と弁明する以外にない地主さんが多かったようです。


また、地主から徴収する管理料も大きな問題となったようです。

プロの業者であれば、だいたい受取賃料の数パーセントが相場ですが、その相場を無視してべらぼうに高い管理料を徴収する事例が多かったようです。
例えば20〜30%の管理料を徴収するのであれば、それにふさわしい業務を本当にしているのか?ということになりますが、実際は大したことをしていない・・・、となれば、税務署としては否認せざるを得ないということになりましょう。


というような経緯がありましたので、今ではこの管理会社方式の活用は、かなり下火になっているようです。


このページの先頭へ戻る