相続コラム

「2015年8月」のコラム

私の地元、北海道を例に挙げると、例えば小樽や室蘭など。
平地が少なく、山を切り開いて住宅街が無理やり(?)立ち並んでいるケースがよく見られます。

「よくこんな急斜面に頑張って家を建てたなぁ…」と感心することも多いです。

そのような場所は、当然ながら一般的な平地と同じような評価にはなりません。

国税庁HPをご覧になると理解し易いです。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hyoka/03/20.htm

相続税の世界では「がけ地」という言葉で表現します。

そのがけ地が、土地全体の何割を占めているのか?
また、東西南北どの方角を向いているのか?

これらを加味した上で、一定の補正率を乗じて評価を減額します。

このように、相続財産の評価は様々な決まり事があります。
これらを最大限に活用することによって、評価額をできるだけ減らし、余計な税金を支払わないようにするのが申告業務のコツです。


相続税はいくらかかるんだろう?
と心配になり、自分で簡易的に計算するのは良いことだと思いますが、
多くの方が計算方法を勘違いしてらっしゃいます。

具体例を挙げましょう。
1億円の財産で、相続人が配偶者と子2名だとします。

相続人の数は3名なので、
基礎控除額は3,000万円+600万円×3名=4,800万円

財産1億円から4,800万円を差し引いた残り5,200万円が課税対象。

ここまでは大体皆さん合ってます。
間違いが多いのはここからです。

【国税庁】相続税の税率
https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4155.htm

5,000万円〜1億円の間なので、いきなり30%を乗じてしまう方が非常に多いのです。

そうではなく、5,200万円を法定相続分で割り、それぞれに対して税率を乗じるのです。
上記の例でいいますと、

配偶者
 5,200万円×二分の一=2,600万円
 2,600万円×15%−50万円=340万円

子2名
 5,200万円×四分の一=1,300万円
 1,300万円×15%−50万円=145万円

上記を合計すると税額630万円、これが正解です。
あとはこの630万円を、実際の遺産分割割合に応じて各人に配分するのです。

初回の面談打合せでパパッと計算すると「あれ、思ってたほどの額じゃなかった、よかった」と安堵される方が多くいらっしゃいます。

ご不安な方、まずは早めにご相談下さい。

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