相続事例

相続事例01

事務所に電話をしてきたAさん。おもむろに事情を話し始めました。

Aさん

「父が亡くなったのですが、何をどうすればよいのか分からず、電話した次第なんですが・・・」

これまで全く相続のことなど考えたこともなかったため、何をどうしたらよいのか途方にくれているのが、受話器から伝わってきました。

スタッフ

「ご安心ください。まず全体像から把握していきましょう。
ご家族の構成をお聞かせいただけますか?」

少し落ち着いた様子で、ゆっくりとAさんが語り始めたところによると・・・。
亡くなった父親は70代前半。相続人は母親(60代後半)と息子のAさん(40代後半)の二人。
遺言書はなく、複数の預貯金通帳、証券会社の取引明細や不動産の権利証などが家中に散乱し、相続財産の全体像が全く把握できていないとのこと。

Aさん

「賃貸アパートの確定申告も毎年やっていたようなんですが、とにかく父が自分で全て管理していたので、全く分からないのです。預金口座も凍結されてしまって、どうしたらよいのか…」

※相続発生時に、遺言書や関連書類が完璧に揃っていることは非常に稀です。Aさんのケースのように、亡くなった本人にしか分からない事柄が多く、亡くなってから慌てることの方が多いのが現実です。

Aさん

「相続税は発生しますか?いくらぐらいなんでしょう?…それと、凍結された預金口座は解約できますか?…ああ、不動産の名義変更は?賃貸アパートの家賃収入も確定申告はどうすれば?…それと、」

スタッフ

「まず、落ち着いてください。大体の事情は分かりました。
きちんと整理していくと全て解決できますので、ご安心ください。」

Aさん

「ありがとうございます。全く何も分からないので教えてください。」

ということで、面談の日時を決め事務所に来ていただくことになりました。
その際に、持参して頂くように伝えたのは以下の書類です。

  • 01:父親名義の預金通帳・預金証書、その他銀行からの郵便物など
  • 02:証券会社からの郵便物(取引明細など)
  • 03:固定資産税の納税通知書
  • 04:生命保険証書、損害保険証書
  • 05:過去の確定申告書控え
  • 06:その他、今回の相続に関連ありそうなもの全て

※よく分からない場合には、関連ありそうなものは自分で要否を判断せずに持参することをオススメします。意外な書類が大事なポイントになる場合もあるものです。

数日後、Aさんとお母様が事務所にいらっしゃいました。

Aさん

「お電話ではありがとうございました。家中から書類をかき集めて来ました。」

Aさんは、持参した大きな封筒から、書類の束を取り出しました。

スタッフ

「まずは、預貯金から確認していきましょう。」

持参頂いた預金通帳を元に、現存する預金残高を合計していくと、およそ7000万円あることが分かりました。

Aさん

「そんなにあったとは・・・せいぜい2〜3000万円ぐらいだと思ってましたよ。」

思ったよりも多額の預金に驚いているAさん。
更に、固定資産税の納税通知書を元に不動産の概算評価額を算定し、およそ発生するであろう相続税額の概算を伝えました。

Aさん

「もっと発生するかと思っていた。それぐらいならば支払える。」

相続税額の概算が分かって、Aさんもお母様もホッとした様子。

※相続人にとっては、相続税額がどのくらいになるのか分からないのは非常に不安なものです。
当事務所では、可能な限り初回の面談で相続財産の概況を把握し、相続税の概算をお伝えするようにしています。


また、生命保険証書を確認したところ、死亡保険金を受け取ることができる保険契約がいくつか存在しており、まだ何も手続きをしていないものについては早急に保険会社に連絡するようお話しました。その他の保険契約についても今後継続して支払い続けるか、それとも解約して解約金を受取るかを検討するようお話しました。

Aさん

「ありがとうございます。すごくスッキリしました。」

スタッフ

「ただ、お父様の場合はご自身でいろいろと管理されていたようですので、もしかしたら他にも預金などがあるかも知れません。きちんと調べたほうが良さそうですよ。」

Aさん

「他にもありそうなんですか!どうしたらよいのでしょう。
ぜひ、調べていただけないでしょうか?」

正式に業務依頼を受け、相続人からの委任状を元に各銀行・証券会社の残高証明書を取得すると共に、郵便貯金の現存確認を行ったところ、初回面談にて相続人が把握しきれてなかった郵便貯金、銀行定期預金の存在が発覚しました。Aさんにその旨を伝えたところ「まだそんなにあったのですか・・・」と驚いた様子でした。

※金融機関から残高証明書を取得すると共に、他の店舗全ての預金取引の有無を確認することは大事な基本手続きです。相続人は勿論のこと、被相続人自身も把握していなかったような預貯金が見つかる場合があります。

その後、不動産の資料収集や現場確認などを行い評価業務を着々と進めると共に、今回の相続人は本当にAさんと母親の二人だけであるかどうかを確認するために戸籍謄本の収集を行いました。

およそ2ヶ月程度で相続人の確定及び相続財産の概要が判明し、Aさんに連絡して二度目の面談打合せを行いました。財産目録を元に相続財産の内容を伝え、相続人二名でどのように遺産分割するか協議して欲しい旨を伝えました。

なお、分割するにあたっては、以下を主なポイントとして伝えました。

  • 01:妻(Aさんの母親)の配偶者控除制度を活用して節税すべきであること
  • 02:ただし近い将来発生するであろう二次相続(つまり母親の相続)を考慮すべきであること
  • 03:賃貸アパートを誰が相続するかについては、その賃貸収入に伴う影響度を考慮すべきであること
  • (母親が相続した場合、その賃貸収入による所得増加に伴い年金受取額に影響が出る可能性があること、また賃貸収入により母親の財産が更に増加して二次相続の際に発生する相続税額が増加すること、など)

約半月後、Aさんより「遺産分割の内容が決まった」旨の報告を受け、その内容を元に遺産分割協議書を作成し、それぞれ自署捺印をして頂きました。

その遺産分割協議書を元に相続財産の名義変更手続きを一斉に行いました。
各銀行の預貯金は全て解約して相続人名義の預金口座に分配し、証券会社にある株式・投資信託などは各相続人の名義に変更しました。また、不動産については提携する司法書士に依頼して名義変更を行いました。

※預貯金の解約、その他財産の名義変更は自分で行おうとすると、思った以上に面倒な手続きが必要です。
間違いのない手続きのためにも、専門家に相談した方がよいでしょう。


そしてこれらを全て行った後に、相続税の申告書を税務署に提出すると共に、相続税を納付しました。
これらが全て完了したのは、相続発生から約5ヶ月後のことでした。

※相続発生から約5ヶ月で完了するというのは非常に早いペースです。
相続では隠れた資産が見つかったり、思わぬ相続人が出てくる場合もあります。書類を揃えるだけでも大変な時間を要しますので、相続の手続きを依頼する場合は、相続の経験が豊富なプロに依頼することが絶対条件になります。


相続税納付後、Aさんがスッキリとした笑顔で事務所に訪れました。

Aさん

「この度は、ありがとうございました。右も左も分からず、困っていたのが嘘のようです。つきましては・・・」

Aさんは笑顔で、確定申告書を取り出しました。
どうやら、相続した賃貸アパートの確定申告の面倒も見てくれということのようです。
今まで、父親は白色申告で行っていたので、青色申告に変更する手続きと共に小規模企業共済など節税方法をお伝えしました。

・・・ Aさんとは永いお付き合いになりそうです。

※相続税の申告だけで、相続は終わりではありません。相続した資産をどのように管理していくかといった問題もあります。当事務所では、相続後のことも、ご安心いただけるようにアドバイスしています。

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